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松本孝弘モデル -MG-MⅢ-

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松本孝弘モデルのMG-Mシリーズ第4弾目にしてYAMAHAからは最後となるMG-MⅢ(ゼブラフィニッシュ)は1993〜1996年の僅か3年の販売期間しか設けず、廉価版とは言え貴重なモデルでもある。

又、同時期にMG Custom(ゼブラフィニッシュ)の本家と同等のスペックでシグネチャーモデルの販売も開始したり、これをモチーフにYAMAHAからMGⅡS/MG Specialの販売の他、某ショップからも特別仕様を販売するなど色々と動きがあったのも覚えている。

しかしいずれも短期間で終了してMG-Mシリーズは静かに幕を閉じた....
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という話から進めて見たが、とりあえず所有物の前にYAMAHAのカタログをからMG-Mシリーズの1ページを載せて見る。

これを見ると第1弾目のノントレモロMG-Mがないが、今回のMG-MⅢと同じく4年間ほどしか販売されなかった為に全モデルが載った物が存在しない。

では話しをMG-MⅢに戻すが、実の所を書けばこれこそ本人が使用した例が全く無いモデルでもあり、シグネチャーモデルのMG Customの正に “廉価版” と言える。

それを言ったらMG-MⅢが可愛そうだが、あくまでも松本孝弘モデルとして凄く入手するのに胸を躍らせた事もあり、個人的には?むしろ今となっては貴重なモデルである事は間違いない気もする。

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そんなMG-MⅢはB’zのアルバムで言えばいつの頃のモデルかとなれば『The 7th Blues』で、本人のプロトタイプは『LIVE RIPPER』でゼブラフィニッシュをお披露目したのはファンならご存知のお話し....

やはりその影響とアルバムなどの楽曲から色々な妄想が始まり、このMG-MⅢで弾いてるのかと思うと物欲を抑えられなくなる。

エレキギターは楽器だけにスペック面でも言ってもMG-MⅢはこれまでのモデルと大きく違う点が幾つもあり、新しいMG-Mシリーズ感もそそられる部分かなとも思う。

なので今回はMG Customとの違いではなく、以前までのMG-MシリーズとMG-MⅢとの違いについて書き進めて行きたい。

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ここで所有のMG-MⅢが登場という事で今まで通りヘッドから見て行こう。

前作までとの明らか違いは見て分かる通りYAMAHAロゴが大型になり立体文字でデザインされている。
その際にスペースの問題かデザイン的な変更か後に続く小文字は無くなっている。

ちなみに裏側にはMADE IN JAPANとシリアルNoは刻印のままだ。

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続いてロックナットの画像。

ここの機能的な部分は前作等と同じだが、MG-MⅡGの時に書いたキャップスクリュー(ボルト)が4mmから3mmと変更されてる。

この3mmはMG-MⅡGの後期(ヘッド裏が全て印字)の場合だったと説明したが、このMG-MⅢは前・後期に関係なく全て3mmで統一されてる。

又、パーツ塗装に関しても黒塗りが施されてる。

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そしてフィンガーボード&ネックを見て行く。

ここからはスペック的に前作と大きな違いを見せてくれる部分で、メイプル使いとサテンフィニッシュはそのままにネックスケールがミディアムに変更されてる。
更にネック形状も丸み帯びて厚いCシェイプへ、それとポジションマークがドット柄からデザインのあるものへ変更された。

このミディアムスケールとネック形状は個人的に非常に弾きやすくて気に入っている。レスポールを意識してのデザイン変更でもあるMG-MⅢは廉価版とは言えちゃんと違いを見せたモデルだ。

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今度はそのままネックジョイント部分を見て行く。

今までのMG-Mシリーズとは異なって例の “SUPER PLAYABILTY JOINT” 方式は採用せず “ORIGINAL THICK-TAIL JOINT” に変更された。

性能的にはヒールネックを厚くする事でワイドなダイナミックレンジとロングサスティーンを得られるとのこと。

実際にネックスケール感なのか?それともこのジョイント方式の影響なのかは分からないが、剛性感が圧倒的に増しつつ確かにロングサスティーンを得ている。

この部分は構造的に前作までのMG-Mシリーズより気に入っている。

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続いてロック式トレモロでもある “Rockin’ Magic-ProⅡ” に話しを進める。

この部分は全く違いが無いように思えるが?実際には使用感が異なり、更に設置加減も違いが見れる。

例えば  Rockin’ Magic-ProⅡ を収めるザグリが以前まではスタッドボルト以上、リアピックアップ手前まであったのが大幅に後方の時点で終わっている。

この事でアームダウン時にナイフエッヂ加工されてない Rockin’ Magic-ProⅡ は弦高を推進に保たないと早くにボディタッチしてしまう。
更に先ほど “レスポールを意識した” と書いた通り、実はボディ自体もアーチドトップデザインで尻下りな事から Rockin’ Magic-ProⅡ を水平マウントさせると尻上がりのセッティングに見える。

この辺はオーナーズマニュアルを所有してないと良く分からなくなる部分ではないかと思う。

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次は前回同様にアームバーのコンディションとして一応載せて見る。

所有のMG-MⅡMG-MⅡG、そしてこのMG-MⅢのアームバーは特に気を配って拭く習慣が付いてる為に点錆びや塗装剥がれ等は一応ない。

ただ保管時に?他の物と一緒に収納してたのか若干の傷はあるが、今となっては仕方ない事にしている。

他に書くとすればMG-Mシリーズのアーム角、ストレート気味のタイプよりは曲がっているが?もっと角度の付いたタイプなら好みなのにと思う事がある。

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それではサウンド面としてMG-MⅢのピックアップを見て行く。

今回のMG-MⅢでは画像を見ての通り前後のハムバッカーしか搭載されてない。
更にフロントに関してはMG-MⅡGと同じLIVE-GH1を、リアに関しては新しい “LIVE-GH6”(アルニコV)に変更された。

この事で前作まではできなかったハムバッカー同士のミックスが可能になった事の他にリアピックアップは以前よりもヌケの良いサウンド、より荒々しくパワフルにも変わった。
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そしてもう1つの違い....

それはフロントのピックアップがエスカッションではなくダイレクトマウントに変更した事だ。

LIVE-GH1はMG-MⅡGと同じではあるが、マウント方式が違う事でウォームさより輪郭のハッキリしたクリーミーなサウンドに感じる。

ちなみにサスティーンの方はダイレクトマウントにした事での影響は正直よく分からない。つまりMG-Mシリーズらしい感じのままだ。

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既にツーハム仕様と書いた事で分かるとは思うが、ピックアップセレクターは3Way。

ただ前作同様の日本製なのに凄く柔らかく操作性は抜群。

にしてもピックセレクター位置は相変わらずなので切り替えての際の使い勝手は非常に好みから外れる....

余談になるが、このMG-Mシリーズのピックアップセレクター位置は本人はライブで切り替える事が少ない事の他に、激しいアクションで不意に切り替わらない対策としの事らしい。

1ヴォリュームも似た理由で、トーン関係もアンプ側やエフェクター等で操作する事が多かった為、エレキギター本体側には設けなかったという当時の松本孝弘のプレイスタイルに反映しての事だというのが分かる。

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関連性は無いが最後はボディ形状とジャックについて書いて見る。

MG-MⅢボディは前作までの丸みを帯びたエルゴノミックな形状から一変して、レスポールを意識した様なアーチドトップなデザインかつ、サイドもスクエアエッヂの効いた漢らしシェイプに変更された。

この事であの絶妙なフィット感は失ったがボディ面積が増えた事で安定性がガッチリして剛性感を感じれる他、逆に定番な感じはあるものの?その良さもやはりいいと再確認できる気がした。

そしてジャック箇所だが、前作までを載せてないので違いが書きにくいのが悔やまれる。
そのジャック形状はギターを構えて斜め下からストラップピン面の後方、更にザグリが設けられシールドもストレートの形状でないと奥まで差し込めない仕様になっている。

又、画像にはないがストラップピンもセンターではなくオフセットされて前作との違いを見せている。



【まとめ】
という事で、所有のMG-MMG-MⅡGMG-MⅢとMG-Mシリーズの3モデルについて書いて来た。

このMG-MⅢは特に他のモデルとの違いが多くスペックとしても凄く面白い部分が沢山あって所有力を満たしてるが、やはりMG-Mシリーズ(松本孝弘モデル)は個人的に非常にプレイアビリティが高く感じ、価格の割には凄くよくできたエレキギターかなと思う。

特に過剰評価はするつもりはないが?当時のYAMAHAと現在の製品、これらで “比べた場合” にはやはり木材や製造元や拘りがある分は幾ら安価なモデルであっても反映するのかと....

それはさて置き、MG-Mシリーズは本当に好きだ。こうして記事として載せる事自体が既に楽しい。
それでいて普段は楽器として弾ける楽しさが常にある....

そう思うとYAMAHA MG-Mシリーズには感謝しかない。

これからも大切に弾き続けたいと思う。

# by tamc22s | 2019-09-14 11:00

松本孝弘モデル -MG-MⅡG-

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1989年からMG-MシリーズのMG-MMG-MⅡ販売を開始し、1991年に松本孝弘ファンへ向けた第3弾目のMG-MⅡG(ネオンライトグラフィック)の販売を開始した。

このMG-MⅡGは所有する松本孝弘モデルの中で1番のお気に入りでもあり、思い出深いエレキギターでもある。

ミニアルバムからの1曲 “孤独のランナウェイ” をTVでお披露目の時から使用してた事が印象が残り、アルバムでは『IN THE LIFE』を最も聞き込んでいた自分にとってはMG-MⅡGは正に憧れ中の憧れ....そう言っても過言ではないのだ。

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当時から憧れでもあったMG-MⅡGは現在所有するのは全4機。
その理由もYAMAHAからはパーツ類の購入が出来ない事は勿論、中古市場でも総合的にグッドコンディションの個体が殆ど見かける事も少なく、ある意味部品取りのストックとして程度の良い個体を集めた。

左は練習用,右がメイン機,中央の奥が部品取りの内の1機になる。
けれど部品取りの2機はそうは言っても普通に弾けてしまう。
つまりハードウェアやネック&ボディなどそれなりに厳選して入手しただけに実用性ある個体となってしまってる。

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さて、そんなMG-MⅡGだが?前回紹介したMG-MⅡ(ブルーサンバースト)とさほど変わりはないものの、お気に入りモデルでもあるから載せて行こうと思う。

先ずはボディに描かれた(プリント)ネオンライトグラフィック・フィニッシュ。
本家の使用するのと市販モデルではラインの太さや色味も異なる。
けれど個人的に言えばこの市販モデルのラインの細さや色の出が好みである。

中古市場だと色褪せの進んだ個体が殆どをしめるが、所有するのは比較的に発色の良い状態を残してるんではないかと思う。

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ちなみに↑画像はYAMAHAのカタログから。

当時はアルバム『RISKY』で使用してたMG-MⅡも魅力的だったが、やはり『IN THE LIFE』の影響でMG-MⅡGを新品購入したのを覚えてる。

その当時はカタログで松本孝弘モデルの購入を決めたというより、B’zのバンドスコアに載ってた広告で物欲を掻き立てられた気がする。

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どうせだからこれも載せて行こう。

松本孝弘ファンでもこのMG-MⅡGだけは本人使用の物とネオンライトグラフィックの明らかな違いから購入の候補から除外されるパターンも多い。

もちろん本人のメイン機でもあるプロトタイプの使用は目立つけれど、実際はこの市販モデルをライブ活動の際に使用はしていて、『IN THE LIFE』のバンドスコアの機材紹介ではちゃんと紹介されてる。

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ここからは前回と似たり寄ったりの部分はあるが、各部を載せて行く。

先ずはヘッドだが、相変わらずYAMAHAの斜めロゴとその後に続く文字が時代を感じさせ、細やかさがクオリティを感じさせてくれる。
又 GOTOH製ペグも標準装備でチューニング安定性も良く、購入当時から現在まで普通に問題なく機能している。

更にヘッド裏の “MADE IN JAPAN” の刻印は健在で、90年代のYAMAHAは日本製に拘ってたのも分かる。
他にシリアルNoでMG-Mシリーズは製造年と前・中・後期の判別ができるのはファンならご存知?!な知識。

取り敢えず “印字は後期” とだけ書いて置こう。

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ここもまた当時のYAMAHAエレキギターのロック式ナットの定番で、独自の構造を持った高機能なナットが嬉しい。

このナットは枠にイモネジ内蔵(左右2箇所)でシムを挟まずともHexレンチ(六角)で自由に高さ調整が行える。

又 、前・中期と後期はキャップスクリュー(ボルト)サイズが異なり4mmと3mmが存在して、刻印の前・中期には画像の4mm仕様だ。

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続いてフレットボード&ネックを見て行く。

MG-Mシリーズは全モデル フレットボードはサテンフィニッシュ(艶消し)仕上げになってる。更にRも強くなくフレットも使い心地の良い普通な高さ。

ネックはヘッド側で繋げてあり、もちろんフレットボードも貼りで3ピース構造。そんなネックは?薄過ぎず厚過ぎずのロングスケールで非常に手の平への収まりも良くプレイアビリティはGood。

ただこれも製造年と個体差でネックの厚みからUシェイプ具合が異なる。所有の91年製造と94年製造の物は別物と思うくらい握った際のフィリングが違う。

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次はネックとボディのジョイントを見て行く。

YAMAHAでは “SUPER PLAYABILTY JOINT” と名付けており、ハイフレットまで確実に弾きこなす為にボディ側は1段落とし込んだ形状にしている。

又、スカッフジョイントはボルトオンとしてるけど、YAMAHAに多く見られるセパレート式でボディ側は深いザグリと厚みあるプレートを組み合わせて留めれれている。

ちなみにアームプレイで音を立てて動く様になったらチューニング狂いが発生してまともに弾けなくなってしまう。
そうなったらリペアするしか方法はないが....今のところ所有機の全部は大丈夫である。

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MG-Mシリーズに搭載されたロック式トレモロ、その名も “Rockin’ Magic-ProⅡ” である。

このパーツはもはや説明要らずな部分でもあるが、改めて言うなら弦交換の際にボールエンドのカットは必要なく、更に通常のプレスロックするストリング・ロックスクリューもあるため二重ロック式となる。
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そしてもう一つ機能面で言うならオクターブ調整が非常に楽で、通常は弦を緩めつつサドルのネジのロックを解放して前後移動させる....。
この作業をYAMAHAは独自構造にした事で弦のテンションはそのままにサドルのネジを解放しても全く動かない。そこでストリング・ロックスクリューの更に下に横並びする6個のネジで前後調整をする。

この事でオクターブ調整は非常に楽なものになるが、部品点数が多くフロイドローズなどにはない位置に部品があるためアームアップの可動域が減る。

とは言え、推進弦高の場合は底付きがストッパーの役目を果たす設計でもあるらしく、更に部品点数が多いのもサスティーンブロックが薄い事で逆に本体の重量を稼ぐ事でサスティーンを補う為とも言われてる。

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Rockin’ Magic-ProⅡの並びでアームバーにも触れておきたい。

このMG-Mシリーズに限った話ではないが、MG-MシリーズのアームバーもYAMAHA独自の構造で他製品の流用が難しい。

しかしアームバー本体の塗装は汗に非常に軟く、拭かずに長期放置するなら点錆びは知らぬ間に現れる。この辺のデリケートさはゴールドパーツに匹敵する感じもするが、所有するMG-MⅡGの4本のうち1本はガサガサで練習用にと回されている。

更に問題は?いゃ、独自の構造のパーツとしてテンションを決めるロックダイヤルにもあり、紛失してしまうとガタガタと揺れてアーミングが厳しくなる。
けれどこのロックダイヤルの中には更に真鍮製の筒があり、これもないとアームバーを保持する意味での安定性&ロックが機能しなくなる。

....ある意味厄介なパーツに思う。

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それではサウンドに影響するピックアップを見て行きたい。

MG-MⅡGは前作のMG-MⅡと同じ物が付いてると思い込む方々が少なくないが、実際は違うピックアップが乗せられてて出音に違いがある。

このMG-MⅡGには前後のハムバッカーに “LIVE-GH1”(アルニコV)に変更されており、若干の荒さの増した?ディストーションサウンドに向いた物に感じる。

ちなみに本家とは全然違うピックアップなのは勿論、ヌケも非常に優れてる訳ではないが? 市販モデル=廉価版の安価なピックアップにしては必要十分でもあるし、もっと言えばバスウッド材のボディに薄型デザインの組み合わせは逆に相性良く思える部分もある。

特性の1つとしてエフェクターの乗りは良く、薄めの歪みから深いものまで通して十分使える。更にクリーンやクランチではセンターのミックスであの独特なパラパラでカラッとした雰囲気が出る。

これも前作のMG-MⅡにも同じ事が言えるが、MG-MⅡGはそこにプラスする様に少し太さ....またはコシが増したイメージだ。
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そしてピックアップ関連として話せばエスカッションにもポイントがある。

YAMAHAのエレキギターで良く見られるピックアップの向き調整機能。
普通は高さ調整の為に左右1本づつだが、6弦側にはもう1本追加されて前後の向きが自由にレイアウトできる。

この事で調整幅は広がり細かなセッティングを出せる事から何気に気に入ってるポイントでもある。

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そろそろ書く事も無くなって来たが、行ける所まで書いて見る。

MG-Mシリーズは基本5Wayセレクターで、H-S-Hのピックアップ配列でセンターとのミックスサウンドを可能としてる。

この時に前後のハムバッカーは自動でシングルとなってクリーンやアルペジオに向いたサウンド思考で当時のエレキギターとしては結構幅広くバリエーションも多彩に思う。

ちなみにセレクターは若干固め。日本製のパーツはこのフィールが特徴らしいが、今のところオリジナルパーツで残して行きたいから交換は考えていない。

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オリジナルパーツで言えば些細な部品としてストラップピンも個人的に挙げられる。

これも前期〜後期で塗装や高さが実際に異なる。そのお陰で同じストラップに樹脂製ロックピン(ジム・ダンロップ)を装着するとキツさが違い、ストラップピンも供回りしてネジが緩んで来る。

前期物は高さが低く樹脂製ロックピンを挟むスペースが少なく苦手の様だ。逆に中期と後期はストラップピンはそのままに程よくフレキシブルにストラップが動く。

そんなストラップピンもオリジナルパーツでいたい。



【まとめ】
今回は特にMG-MⅡGというお気に入りのモデルだった為に長く書き過ぎてしまったが、本家との比較ではなく市販モデルでも違いがある部分やディティールを細かく見て行くと面白いなと改めて思った。

所詮は廉価版のモデルギターであってもやはり夢であり憧れでもあるから、それらが現在手元ににあり弾ける環境である事は最高の喜びである。

MG-MⅡGは毎日のギターライフを充実させてくれる1本となってるから、誰かにここを見てもらえるもらえない関係なく書けて良かったと思ってる。

さて、次回予告....

MG-MⅡMG-MⅡGと来たらMG-MⅢが来るのは自然だろう....

なので期待を裏切らずMG-MⅢを載せる予定でいる。気になる方はどうぞ....
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# by tamc22s | 2019-09-11 19:30

松本孝弘モデル -MG-MⅡ-

【はじめに】
1989年〜2002年まで松本孝弘(B’z)モデルとしてYAMAHAからMG-Mシリーズが販売された。

第1弾はノントレモロのMG-M、その後1990年からMG-MⅡとロック式トレモロを搭載したモデル、更に1991年にはMG-MⅡGとマイナーチェンジモデルも追加され、1993年には最終モデルのMG-MⅢが販売され2002年にはMG-Mシリーズは生産中止となる....

ちなみにMGシリーズはYAMAHAオリジナルのシェイプでハードウェアも独自の構造の物が多く、更にMaed In Japanに拘って作ってた時代だけに価格帯と見合わないクオリティも魅力だと個人的に思ってる。

今回はBlogを書き始めるという事で、所有する第2弾目のMG-MⅡから紹介がてら載せて行きたい。

※この記事は個人の記録として、そして興味はあるけどまだ手にした事のない方の為にも参考になる様に載せて行こうと思った。

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画像のMG-MⅡは1990〜2002年迄と販売されたモデルで、所有の物は91年製造でもあり比較的 前期の個体。

ボディカラーはお馴染みの鮮やかなブルーサンバーストで、元はYAMAHAがMR.BIGのベーシスト為にカスタムベースを初めに作った時に使用したと『少年GUITAR』の記事にも載っている。

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又 ボディ材に関しては廉価版でもあり、あくまでも “松本孝弘モデル” になるからバスウッド材の使用だったり、細かな点を言えば幾つか本人仕様のMG-MⅡと異なる部分は実は多い。

とは言えやはり初期B’zのアルバム『BRERK THROUGH』の印象が強く、この辺りの楽曲をコピーする際に?見た目という雰囲気も兼ねて取り入れたなら持って置きたいなと....個人的に思えるエレキギターだ。

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このYAMAHAオリジナルのボディシェイプはサイドエッジが無く丸み帯びた形状から非常に構え易い。

特にコンパクトで薄型なのはもちろん、シェイプ自体がエルゴノミックな設計でもありバックコンター加工の当たりの質感をボディ全面で感じれる様なデザインがとても気に入ってる。

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続いてヘッド画像。

このアイスホッケーを思わす形状が実は気に入ってたりもする。
更に斜めに配置されたYAMAHAロゴ、その後に続く印字もノスタルジーでヘッド辺りの完成度を上げてるのに一役買ってる気もする。

又 ヘッド裏には “掘り文字” でシリアルNoとMADE IN JAPANが見れる。ここで製造年代や前期〜後期の判別が出来たりもする。

この90年代のYAMAHAエレキギターはMGシリーズ以外も日本製に拘ってた時代でもあり、安価なモデルでもそれなりのクオリティを見せるのが誇らしかったりもする。

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画像はロックナットとテンションバー。

ロックナットに関してはYAMAHA独自の構造を全面に出してた時代の物だけあって非常に機能的なナットになってる。

例えばナットの高さ調整をする際に左右の小さな穴にイモネジが設置されてて、Hexレンチ(六角)で回せばシムを挟まずしてセッティングが出来る。
ただロックパーツとキャップスクリュー(ボルト)が4mmなので紛失させると代用に困る点がある。

そして謎の点もある。MGシリーズに言える事だが、ヘッドにはレスポールの様に角度が付けられてるが?何故かテンションバーがある。しかも役目をちゃんと果たしてる点から言うとヘッド角は何のために?と疑問を持つ....

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続いてネック&フィンガーボード(指板)について書いてみる。

画像は用意し忘れたがネックはヘッドと分かれた構造で、更にフィンガーボードも貼りメイプルになった3ピース仕様。

そのネックの厚みは薄くフィンガーボードの幅も狭い為に非常に握りやすくバレーコードやソロ弾きも楽に熟せる。

ちなみにフレット(オリジナル)も細くて高い感じもありつつ、サテンフィニッシュのフィンガーボードは横への動きをスムースにしてくれるので当たりを含め弾き易い。

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そんなネックをボディにジョイントしてるのが “SUPER PLAYABILITY JOINT” 方式で、YAMAHAのカタログ曰く最高音域までを確実に弾きこなす為の構造と....

要はボディから一段落し込む事で厚みが減るからハイポジションが弾きやすくなる。又 ネックプレートも独自でセパレート式かつハメ込むほど厚いプレートを採用して固定を確実な物にしてる。

が?MG-Mシリーズの所有者の中にアーミングの際にガタが出る、チューニングが狂うなどの情報がある。これは個体差や経年劣化で問題がある箇所の1つと言えるかも知れない。

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そしてロック式トレモロでもある “ROCKIN’ MAGIC-PRO Ⅱ” を見てみる。

ここもYAMAHA独自の構造がありつつ代用が効かないパーツの中、優れた機能を持った部分かなと?!

先ずお馴染みの情報としては弦交換の際にボールエンドのカットを必要としない点、そして通常のフロイドローズと同じくストリング・ロックスクリュー(ボルト)でプレス留めも可能とした二重ロックでもある。

更にそのストリング・ロックスクリューの下にもう1列の6本のネジがあり、これはオクターブ調整の際に弦をわざわざ緩める必要をなくした構造にもなってて、サドル側のネジを緩めても前後しない様に設計されてる。

ただこの構造からの問題もある。それはアームアップの可動域の不足で、弦高次第では直ぐに底付きするセッティングになってしまう。が?実はこの事も計算で底付きは(推進弦高だと)アームアップのストッパーの役目を果たしてるとのこと。

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そんなROCKIN’ MAGIC-PRO Ⅱは独自の機能を積んでる代わりに他に重大な問題もある。

それはフローティングさせる為の2点の軸になるスタッドボルト&アンカーだ。
どんな風に問題かと言うと、YAMAHAはアーミングの際にROCKIN’ MAGIC-PRO Ⅱ本体のナイフエッヂ部分(軸受け)のダメージを軽減させる為にスタッドボルトの強度を下げてるとのこと。

つまりアーミングするほどスタッドボルトのダメージは蓄積され溝が深くなるという話だ。更にバスウッド材に打たれてアンカーも経年劣化と共に抜け易くなり演奏に障害が出ると聞く。

とは言えいずれの問題は現在所有のMG-Mシリーズ(数本)には見られてないから今後恐れてる問題でもある....

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最後にサウンド面としてピックアップについて書いて見たい。

H-S-Hの配置でセットされたピックアップはMG-MⅡ専用ともあり、前後のハムバッカーには “FOUCS-SH1T”(セラミック)、センターのシングルには “FOUCS-SS1”(アルニコV)が搭載されてる。

結構勘違いされてるのが、このMG-MⅡの後に販売されたMG-MⅡG(ネオンライトグラフィック)と同じピックアップと認識してる方が少なくない。

でも実際にはボディカラーだけの違いではなくピックアップも異なり、サウンド特性と言うか....鳴りは弾き比べる事で実音も違えばエフェクターの乗り方も若干違いがみれる。

ただ何方にも言える事だが、センターのシングルとミックスサウンドにした時に自動で前後のハムバッカーはシングルになり非常に繊細で煌びやかな音質になる。

この事でクリーン/アルペジオ/カッティング等のサウンドを受け持たせる際に本当に初期B’zサウンドを思わす音色が出て、前後のハムバッカーの時にはディストーションサウンドに似合うピックアップに早変わりと言う感じだろうか?


【あとがき】
このMG-MⅡも販売、生産終了してから随分と年数が経った。

松本孝弘(TAK MATSUMOTO)ファンもこのYAMAHAから出てモデルが未だに人気でもあり、今なを中古を狙ってる人も多いはず....

その反面コンディション良好な美品レベルの個体は非常に少なく、中古で安く購入したものの程度は散々な物だったと声もチラホラ....

まぁ、エレキギターは楽器なだけに弾く事が前提にあるからコレクションとして保存しない限りはどんどん劣化は進んで行くものだ。

現在所有のこのMG-MⅡも使用してるだけに痛んだ箇所が目立つ。特に接近して見るほど小傷や打痕、そして錆などの点々としてる所もある。

個人的には現状維持を目標とオリジナルを保てるかが勝負な所も実はあり、このMG-MⅡに限ってはノイズ発生からボリュームポットの交換のみで留めてる。

お気に入りの1本なだけに最後の日を迎えるまでホント大事に扱って行きたい。
松本孝弘モデル -MG-MⅡ-_a0386735_14051598.gif
そして次回は松本孝弘モデル第3弾目に販売されたMG-MⅡGを載せてみたい。

もし気になった方はどうぞ....




# by tamc22s | 2019-09-06 15:00